日本にコーヒーが入って来たのは江戸時代です。
鎖国をしていた江戸幕府は、長崎の出島に初めて持ち込まれました。
当初日本人にはコーヒーは全く受け入れられませんでした。
そして、ようやくコーヒーが受け入れられるようになったのは、なんと明治時代も半ばを過ぎてからです。
そして、カフェ文化が根付き始めたのが、大正時代です。
まだまだコーヒーが一般的ではなかった頃、爆発的にヒットした商品があります。
それが『コーヒー牛乳』です。
コーヒーにクリームを入れて飲むことがある、という事をヒントに、コーヒーに牛乳を入れる事を思いついたのが、守山乳業(株)の創業者で守山氏です。
コーヒーを日本人に普及させる為に考えた飲物でした。
日本人が、コーヒーそのものよりもコーヒー牛乳の方が懐かしい気持ちになるのはその為かもしれません。
しかし、その反動で、コーヒー牛乳と並んでおいてある、カフェオレとカフェラテを見ても、どうせ牛乳で薄めているのだろうと、違いにあまり注意を払わないようになってしまいました。
カフェオレとカフェラテはメーカーの違う同じコーヒー牛乳ではなく、別の飲物です。
その違いをご説明します。
カフェオレとラテの違い
カフェオレとカフェラテの違いを、名前から考えて見ましょう。
まず、カフェオレですが、
カフェオレの『カフェ』はフランス語で『コーヒー』の事です。
『オレ』が『牛乳』の事です。
一方、カフェラテはカフェラッテと発音するイタリア語です。
イタリア語でも『カフェ』はコーヒー、『ラッテ』は『牛乳』を意味します。
やっぱりコーヒー牛乳じゃないか!とお思いの方もいると思いますが、日本のコーヒーのイメージはフランスやイタリアでは違います。
イタリアでコーヒーと言ったら、エスプレッソの事なのです。
カフェラテはイタリア語なので、エスプレッソに牛乳を混ぜたものという事になります。
エスプレッソとは、ドリップコーヒーとは違う、エスプレッソマシンを使って抽出したコーヒーの事です。
フランスでは、カフェといったら、ドリップコーヒーの時もあれば、エスプレッソの時もあります。
その為、フランスではカフェオレに明確な区別は付いていません。
しかし、日本では、ドリップコーヒーを使用するのが『カフェオレ』で、エスプレッソを使用するのが『カフェラテ』と分けている事が多いようです。
もう一つ混ぜるミルクにも違いがあります。
カフェオレに使用するミルクは、言い方を簡単にすると、鍋で火をかけて温めたミルクを使いますが、カフェラテに使用するミルクは、鍋ではなく、蒸気で温めたミルクを使います。
蒸気で温めたミルクはクリーミーな味わいになります。
カフェオレとラテの甘さ
カフェオレのミルクの割合はコーヒー50%:ミルク50%が基本です。
一方エスプレッソはコーヒー20%:ミルク80%がいいとされています。
しかし、ドリップコーヒーが基本のカフェオレは、50%でも薄味になってしまい、甘み自体はあまり感じられません。
しかし、エスプレッソが基本のカフェラテは、エスプレッソが濃い味ですので、80%のミルクを入れてもコクと苦みと甘さを感じる事が出来ます。
まとめ
カフェオレもカフェラテも日本語に訳せばただのコーヒー牛乳です。
しかし、ドリップコーヒーをベースにするのがカフェオレ、エスプレッソをベースにするのがカフェラテということで、日本では分けられています。
カップの中にはまずそれぞれのコーヒーを入れてから、次に牛乳を入れるのが基本です。
一方日本でコーヒーの普及の為に考え出したコーヒー牛乳は、牛乳を先にいれてから少量のコーヒーを加えます。
日本でカフェオレとカフェラテの味の違いに無頓着になったのは、仕方のないことなのかも知れません。