エスプレッソはあまり日本人にはあまり馴染みがない飲み物かもしれません。
それは、ドリップコーヒーのように豆を挽いてお湯を注ぐというものではなく、エスプレッソを抽出するものが必要となるからでしょう。
エスプレッソマシンは業務用の100万円代から家庭用の1万円代のものまでありますが、自動でエスプレッソを抽出となると、10万円代のものが主流です。
わざわざその値段となると、少し敷居が高くなってしまいます。
そういうわけで、日本ではエスプレッソの種類に関する情報はあまり広まらず、一部のエスプレッソ好きにとどまってしまっています。
とても残念な事です。
実はエスプレッソは奥が深く、苦いだけの飲みもではありません。
抽出の仕方、量、飲み方で名前を様々に変える変幻自在の面白い飲み物なのです。
その代表が、ルンゴ、アメリカーノ、ロングブラックなどです。
それぞれの違いを詳しくご説明いたします。
ルンゴとアメリカーノの違い
エスプレッソはエスプレッソマシンでコーヒー豆にお湯で圧力をかけて流し込み抽出するものです。
かなり濃縮されていますので、初めて飲む人は、強烈な苦味にびっくりしてしまうでしょう。
イタリアではそれに砂糖をたっぷり入れて飲みます。
通常エスプレッソマシンでは20秒程度圧力をかけて、約30ml抽出されます。
それをマグカップなどではなく、エスプレッソ用の小さいデミタスカップで飲むのが普通です。
アメリカーノは、その抽出されたエスプレッソにお好みのお湯を入れて薄めてのむ飲み方です。
こうする事で、苦味が薄れ、ドリップコーヒーよりもさっぱりと、しかし、エスプレッソの甘みを感じる事の出来るのみ方です。
一方、ルンゴとは、エスプレッソの抽出の時間が違う飲み物です。
20秒程度の圧力の時間を、40~60秒ゆっくり圧力をかけて抽出します。
すると抽出されるエスプレッソの量が2倍、約60mlになります。
しかし、量が2倍になったからといってエスプレッソの苦味が半分にはならず、逆により苦くなります。
ルンゴとは、そのエスプレッソの微妙な違いを楽しむ飲み物です。
アメリカーノとロングブラックの違い
アメリカーノとロングブラックは作り方がとても似ています。
作る手順が違うだけなのです。
しかし、味が全く違うものになるので不思議です。
アメリカーノは抽出されたエスプレッソを先にカップに入れてから、お湯を入れる飲み方ですが、ロングブラックは、先にお湯を入れます。
そして後からエスプレッソを入れる飲み方なのです。
どっちでも一緒だろ!と思いますが、実は全然違います。
ロングブラックのように後からお湯にエスプレッソを注ぐと、クレマと呼ばれるコーヒーの苦い成分が残り続け、味が強くなるのです。
アメリカーノは先にエスプレッソを入れますので、お湯を入れるとそのクレマは直ぐに無くなるのです。
まとめ
エスプレッソは、とても不思議な魅力のある飲み物です。
飲み方一つで味の印象を変え、苦味を隠したり、前面に出したりします。
ルンゴ、アメリカーノ、ロングブラックはエスプレッソの魅力のほんの一部の味わい方に過ぎません。
これをきっかけに、エスプレッソの魅力に足を踏み入れてはいかがでしょう。