その昔、アメリカはイギリスの植民地でした。
その為、当時アメリカで主流だったのは、コーヒーではなく、欧州でよく飲まれていた紅茶だったそうです。
しかし、イギリスがかける重税に怒りが爆発したアメリカ、ボストンの商人が輸入されてきた紅茶を、全て海に投げ入れてしまいました。
これが有名な、『ボストン茶会事件』です。
その事件のせいで、紅茶の輸入がしばらく途絶えてしまいました。
その為、イギリス人がとった行動は、コーヒーを薄くして、紅茶代わりにしたのです。
これが、アメリカンコーヒーが薄い理由と言われています。
このような歴史から生まれたアメリカンコーヒーですが、本当はいったいどのようなものなのか、説明できますでしょうか。
問題なのは、同じメニュー表に、アメリカーノと書いてあった場合です。
一緒じゃないのか?と初めて見る人は思うことでしょう。
その違いについてご説明いたします。
コーヒーのアメリカーノとアメリカンは違うの?
一般的に、アメリカンコーヒーと言えば、普通よりも薄く、飲みやすいコーヒーというイメージがあります。
それは間違いではありませんが、アメリカンコーヒーには2種類あります。
浅く焙煎したコーヒー豆を使用して淹れたものと、ドリップコーヒーをお湯で薄めたものです。
実は、アメリカンコーヒーに定義はなく、お店によってアメリカンコーヒーを頼むと、このどちらかの方法で淹れたコーヒーが出てきます。
とにかく、あまり渋みがなく色の薄いコーヒーという点では同じです。
一方、アメリカーノはドリップコーヒーを薄めたものではなく、エスプレッソを飲みやすくするためにお湯で薄めたコーヒーのことを言います。
大きな違いはそこにあります。
そして、飲み比べてみると、直ぐに分かります。
アメリカンコーヒーが、普通のコーヒーよりもコクや苦味が薄くなるコーヒーなのに対し、アメリカーノは、コーヒー本来のコクと甘みが残り、薄くなったという印象はありません。
エスプレッソの後味がすっきりしたという印象のコーヒーです。
似ているのは名前だけで、味は全くの別物と言えます。
まとめ
日本には和製英語と言って、日本人用に作った英語に似てるものがあります。
パソコンや、エアコン、サラリーマンやコンセント。
身の回りには、外国人には全く通じない英語のようなものが溢れています。
その中に、アメリカンコーヒーも含まれます。
アメリカ人に、アメリカンコーヒーを飲みますか?などと言ったら、全く通じないでしょう。
とにかく世界中でアメリカンコーヒーと言っているのは日本だけです。
日本ではアメリカで広がっていた浅煎りコーヒーを、アメリカンスタイルとして受け入れたのでこのような名前になったと言われています。
一方、アメリカーノの名前の由来は、アメリカ人がエスプレッソにお湯を入れて最初に飲み始めたから、と言われています。
とにかく、味は全く違いますので、飲み比べて見てください。