赤道近くの北回帰線と南回帰線の間を中心に、固まってベルトのように伸びているコーヒーの産地を、「コーヒーベルト」と呼んでいて、その数は約70カ国にものぼります。
ブランド豆がひしめく中、インドネシアのスマトラ島にはマンデリンがあり、同じベルトの中に、中米の国、グァテマラ共和国の代表的なコーヒー豆、まさにその国の名を持つ豆であるグァテマラもあります。
その二つの豆は、全くの違う特徴を持ちながら、同じ働きをする事もあります。
この不思議な魅力を持つ、マンデリンとグァテマラの違いについて詳しくご説明いたします。
マンデリンとグァテマラの違い
一言で言うならば、マンデリンとグァテマラは正反対の特徴を持ちます。
マンデリンの主な特徴が、苦さとコクなら、グァテマラは、甘さと上品な酸味です。
マンデリンが苦味が強く、癖のある香りが強みの力強い男性に例えるならば、グァテマラは酸味が強いですが、自らの持つ苦味とのバランスが絶妙で、華やかな甘さを強みとする女性に例えられるでしょう。
しかし、全く違うように見えて、同じ事によく使用されるという特徴も持っています。
それはブレンドに最適だという事です。
メインの豆の何か足りない部分を補う役目や、良さを引き立てる役目をになう仕事を良くこなします。
トラジャとマンデリンの違い
マンデリンはインドネシアのスマトラ島の代表的な豆ですが、実は、インドネシアにはもう一つ代表的な豆があります。
それが『トラジャ』です。
トラジャはインドネシアのトラジャ地方のスラウェシ島で作られるアラビカ種の豆で、幻のコーヒーと呼ばれていました。
それは、第二次世界大戦でほとんどの農場が荒らされてしまい、生産する事が出来なくなってしまったからです。
しかし、日本のキーコーヒーがその復活の手助けをして今では世界中に愛される豆となっています。
マンデリンとの違いは、コクがあり、苦味が中心の味わいは同じですが、マンデリンにある独特のハーブのような酸味がありません。
まとめ
マンデリンとグァテマラ、そしてマンデリンと同じインドネシアの豆のトラジャ。
それぞれの豆に特徴があり、その特徴に応じて、豆を選ぶ事が出来ます。
マンデリンは濃厚なコクと深煎りにしても残る独特な香り、グァテマラは、酸味が少し強めですが、コクのある甘みと香りがあります。
トラジャは日本が大きく関わるコーヒーで、マンデリンのコクと苦味が好きでも、酸味が気になる人には最適な豆です。
それぞれ、ストレートとして飲めば、主役級の活躍が出来る豆ではありますが、ブレンドとして、これらの豆は主役を引き立てる名脇役もこなします。
個性がはっきりしているので、監督としては起用しやすい役者なのかも知れません。
あなたも、この役者達を使って素晴らしいひと時を過ごす為の名監督になってみてはいかがでしょうか。