私達が現在当たり前のように口にするコーヒーは、昔は薬だった事をご存知でしょうか。
900年アラビアの医師が「コーヒーには薬理効果があり、消化や利尿の効果がある」という旨の記録を残しています。
また、エチオピアのカルディというヤギ使いの言い伝えにもあるように、ヤギが興奮状態になる実を茹でて飲んでみたことがきっかけで、眠気を覚ます効果が発見されたりもしました。
いずれも、中東やアフリカの話ですが、現在では世界各国でコーヒーは生産されています。
そして、それぞれに味の特徴があり、様々な飲み方をされています。
中でも、私達日本人の口に馴染みやすいと親しまれているのが、マンデリンコーヒーです。
なぜ日本人に人気なのでしょうか。
それには、マンデリンコーヒーの産地に秘密があるようです。
マンデリンコーヒーが世界のどこで生産されているのかをご説明いたします。
マンデリンコーヒーの産地
コーヒーが良く育つ環境には条件があります。
気候は熱帯か亜熱帯気候で、平均温度は20度以上をキープできる事。
年間の降水雨量が2000mmはある事が挙げられます。
実はその条件を満たす地域は、赤道近くの北回帰線と南回帰線の間を中心に固まってベルトのように伸びています。
それを「コーヒーベルト」と呼び、約70カ国で生産されています。
世界の約3分の1の生産量を誇る、ブラジルももちろんその位置にあります。
コロンビア、グァテマラ、メキシコ、ハワイなどもコーヒーベルトに位置しています。
そして、赤道を辿り、アフリカには、コーヒーの最初の文献もあるアラビアや、エチオピア、キリマンジャロで有名なタンザニア、ケニアなどの産地が存在します。
そして、さらにコーヒーベルトをたどり、東南アジアまで行くと、インドネシアというコーヒー栽培に適した地域に辿り着きます。
その一つの島である、スマトラ島で栽培されているのが、マンデリンコーヒーです。
スマトラ島のマンデリン族が栽培を始めた事で、その名が付いたと言われています。
マンデリンはインドネシアのアラビカ種のコーヒー豆の銘柄です。
アラビカ種は病気に弱く、育てにくい為、インドネシアではロブスタ種の生産が主流になっています。
しかし、マンデリン族が希少価値のあるアラビカ種を栽培し、現在でもスマトラ島の限られた地域でしか生産されません。
まとめ
日本人が好んで飲むマンデリンコーヒーは、中南米でも、アフリカでもなく、同じアジアのインドネシアのスマトラ島が生産地です。
世界に広がるコーヒーベルトを辿りながら、コーヒーを楽しむのも面白いかもしれません。
そして、一番しっくりくるのが、日本人と同じアジア人が作ったものであるのは、不思議なことではないのかも知れません。